2025年04月23日

築150年古民家の住まい改修11床下の断熱改修とJパネル




床下の断熱材をセルロースファイバー吹込断熱とした場合、
床仕上げに関しても検討する必要があります。
通常は構造用合板+フローリングですが、
大工工事の施工工程を減らすために、
静岡産杉材による三層クロスパネルの
Jパネル厚36×910×1820片面仕上げを
床仕上げ兼用とした一発仕上げとしました。

これにより床作業の工程を一つにして、
セルロースファイバー吹込断熱の膨らみを抑えることができます。




今回の床根太は@303としましたが、
@910での剛床タイプでも活用できます。
問題は留め付け方法ですが、
施工者と大工さんとも打ち合わせをして、
長手の実部は斜め留めとして、
中部と実の無い端部は@455で
タルキックと木栓併用としています。
これが仕上がりの床となりますので、木栓塞ぎは必須です。




また、私は静岡県産材のJパネルを使用しますが、
こちらは、二本に二箇所しか無い生産工場が
静岡にありますので、住宅・非住宅に多く使用しています。

丸天星工業
https://marutenboshi.com

また、Jパネルは杉材を集成して三層に組み合わせて、
構造用パネルとして生産される構造材です。




当然ながら色むらがあります。
床材と使用して、保護材を塗布すると、
よりその色むらが目立ちますので、その辺りの説明を
住まい手にもおこなって、確認をする必要もあります。

素朴に使うのが一番ですが、住まい手の好みもあると思いますが、
私の設計を依頼される住まい手の方々には、
その辺りの感性が合っていると思っております。




築150年の古民家の構造補強と断熱改修・はじまり
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/503041445.html

築150年古民家の住まい改修第一歩・現地調査ポイント
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/505132812.html

築150年古民家の住まい改修2現地調査とBIMデータ化
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/505209169.html

築150年古民家の住まい改修3手書きプレゼンと広縁の断熱改修
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/505362455.html

築150年古民家の住まい改修4躯体の構造補強ポイント1
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/505617261.html

築150年古民家の住まい改修5躯体の構造補強ポイント2
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/505963457.html

築150年古民家の住まい改修6断熱改修とコストの境界線
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/508689275.html

築150年古民家の住まい改修7外壁から内壁へ断熱領域を切り替える
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/511169241.html

築150年古民家の住まい改修8和室の書院のW障子断熱
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/511314180.html

築150年古民家の住まい改修9構造躯体の補強と基礎
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/514303946.html

築150年古民家の住まい改修10床下の断熱改修
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/514402876.html

築150年古民家の住まい改修11床下の断熱改修とJパネル
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/514438130.html


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Posted by macchan at 06:47Comments(0)

2025年04月22日

築150年古民家の住まい改修10床下の断熱改修



古民家の改修では構造補強と断熱改修が
セットとなることはこれまで述べてきましたが、
断熱改修の中で、壁・天井と同様に検討が必要な床下。

通常の古民家では胴差桁、つまり障子の高さが
1780mmと低いことが多く、今回は最低1830mmを
確保するために、床根太の高さを調整しています。
これは相当に手間の掛かる作業ですが、
身長が高い住まい手には必須でした。




とはいえ、既存のタイコ落とし丸太や角材の
大引きを活かしつつ、それぞれの床高さに合わせた
新設床根太を90×90や45×45に変更していきます。




そこに対して、断熱材を考えた時に、
硬質ウレタンフォーオムなどのボード型では
隙間なく施工することが困難となるため、
壁・天井と同様に、セルロースファイバー吹込断熱としました。




もう20年以上のお付き合いで施工実績の優れた
セルロースファイバー断熱施工のマツナガ。
https://www.ms-matsunaga.jp

構造補強の途中にも、現地にて打ち合わせをおこない、
吹込処理として上下に不織布張りが必要となるため
根太下のピッチや大きさを施工と共に協議して
@303としたり、床根太下の大引き部分には、
@910で受け材を追加してもらっています。




また外周部壁際の気密処理も重要となりますが、
どうして吹込断熱との隙間ができますので、
通気止めと共に、パーフェクトバリア断熱材を充填しています。
ここは、入念にチェックして不足部には追加充填します。




全体として手間は掛かってしまいますが、
こうしておけば、断熱材は一気に吹き込んで
床下の断熱領域が完成します。

パーフェクトバリア断熱材/エンデバーハウス
人に優しく、吸湿性の低く、再生材によるポリエステル断熱材
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Posted by macchan at 08:01Comments(0)

2025年04月20日

築150年古民家の住まい改修9構造躯体全体の補強と基礎




古民家の改修では、基礎と構造躯体を
どのように補強していくかが検討されます。
この計画は昨年完成のため、躯体補強と断熱改修を基本とした
リノベーションとなっていますが、45坪の1階全体に基礎を造るとなると
躯体のジャッキアップも必要となり、とても予算は合いませんでした。

2025年4月からの改正基準法では、
確認申請を必要とする新2号建物となり、
このようは古民家では、許認可が必要となり、
必然的に、新設基礎を設けての構造補強が必須となります。

今回は新設基礎を設けていないので耐震性能が劣るかといえば、
それは少し違って、いわゆる石の上に建てられる石場建てと
足固め工法となってるため、これにより地震の揺れを吸収しています。

大黒柱280×260・小黒柱240×260・主柱150×150と
大きな断面と胴差桁120×360、主梁140×300など
頑強な躯体構成となっています。




直近でもこれまでの地震に耐えていますが、そこは耐震補強も必要で、
壁倍率4.0の構造補強28箇所には、
杉特一等材120×120の柱と桧土台120×120、
たすき掛け筋交い 45×90 杉特一等材と
筋交い・柱脚柱頭金物と共に補強しています。

また既存土塗り壁部分を残す部分には、
壁倍率2.5の構造用合板による4箇所を追加補強して、
全体にバランスよくおこなっています。

特に柱を追加する下部に土台が無い箇所もありましたが、
既存土台と緊結する足固め土台を追加することも必須です。
特に梁補強を伴う柱土台には自然石400Φで、
しっかりと荷重を受けるて伝えるようにしています。




まとめとして、以下の5点からと全体の壁量計算による
構造事務所との打ち合わせで、
梁補強や追加の柱支持と筋交い補強を含めた改修となっています。
1.石場建て+足固め工法となっていること
2.地盤と床下が良好で沈下もなく、乾燥して安定していること
3.白蟻被害が一部水回り土台に限定されていること
4.屋根瓦への改修と内部改修の一部による躯体沈下がないこと
※一部胴差桁の撓み部には柱追加による補強
5.直近の地震による被害が皆無

【千葉県東方沖を震源とする地震】
〇2023年5月26日19時03分頃、震源地:千葉県東方沖、M6.2、最大震度5弱
〇2020年6月25日04時47分頃、震源地:千葉県東方沖、M6.1、最大震度5弱
〇2018年7月7日20時23分頃、震源地:千葉県東方沖、M6.0、最大震度5弱




築150年の古民家の構造補強と断熱改修・はじまり
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築150年古民家の住まい改修6断熱改修とコストの境界線
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築150年古民家の住まい改修7外壁から内壁へ断熱領域を切り替える
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Posted by macchan at 09:25Comments(0)