2025年04月29日

築150年古民家の住まい改修12構造補強は一筋縄ではいかない




解体工事が終わった段階で、
想定していた構造補強設計との整合性をとりますが、
現場の状況に応じて対応することになります。

なかなか一度にすべてを修正することは難しいので、
工事の進捗状況に併せて先行していきます。




今回は補強する梁の上に小屋裏からの土壁と柱が
乗っかっている状況と更に反対側の
小屋裏桁が掛かっていることもあり、
当初考えていた既存梁の上に
補強梁を差し込むことが難しい状況が起こっていました。

そのままの補強をおこなうと、
1.小屋裏土壁や柱をカットするため仮補強が必要
2.上記による周囲の構造への歪み発生
3.作業工数の増加と補強作業の困難さ




このような状況では、その補強方法が適切とは言えず、
他の補強を考える必要があると判断して、
構造事務所との相談の上、
ここは既存桁同一面での補強をおこなうよりも、
位置を横にずらして新たな集成材の補強梁を設ける方が、
実質的の補強強度が上がることが分かり変更しました。




補強梁両方から荷重がかかるのであれば、
この方法は取れませんが、
今回の場合、横にずらす上部に本棚の収納部があり、
実質的には、反対側からの荷重増加はなく、
増加する荷重と補強は外壁側に集中するという状況でした。

こうしたやり取りは図面のみではなかなか伝えにくいので、
現況写真と補強案と図面を添えて、やり取りすることが、
現場の状況に合った補強方法を考える上で重要なことです。





築150年の古民家の構造補強と断熱改修・はじまり
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/503041445.html

築150年古民家の住まい改修第一歩・現地調査ポイント
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築150年古民家の住まい改修2現地調査とBIMデータ化
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築150年古民家の住まい改修3手書きプレゼンと広縁の断熱改修
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築150年古民家の住まい改修4躯体の構造補強ポイント1
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築150年古民家の住まい改修5躯体の構造補強ポイント2
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築150年古民家の住まい改修6断熱改修とコストの境界線
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築150年古民家の住まい改修7外壁から内壁へ断熱領域を切り替える
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築150年古民家の住まい改修8和室の書院のW障子断熱
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築150年古民家の住まい改修9構造躯体の補強と基礎
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築150年古民家の住まい改修10床下の断熱改修
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築150年古民家の住まい改修11床下の断熱改修とJパネル
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Posted by macchan at 07:54Comments(0)