築150年古民家の住まい改修12構造補強は一筋縄ではいかない

macchan

2025年04月29日 07:54




解体工事が終わった段階で、
想定していた構造補強設計との整合性をとりますが、
現場の状況に応じて対応することになります。

なかなか一度にすべてを修正することは難しいので、
工事の進捗状況に併せて先行していきます。




今回は補強する梁の上に小屋裏からの土壁と柱が
乗っかっている状況と更に反対側の
小屋裏桁が掛かっていることもあり、
当初考えていた既存梁の上に
補強梁を差し込むことが難しい状況が起こっていました。

そのままの補強をおこなうと、
1.小屋裏土壁や柱をカットするため仮補強が必要
2.上記による周囲の構造への歪み発生
3.作業工数の増加と補強作業の困難さ




このような状況では、その補強方法が適切とは言えず、
他の補強を考える必要があると判断して、
構造事務所との相談の上、
ここは既存桁同一面での補強をおこなうよりも、
位置を横にずらして新たな集成材の補強梁を設ける方が、
実質的の補強強度が上がることが分かり変更しました。




補強梁両方から荷重がかかるのであれば、
この方法は取れませんが、
今回の場合、横にずらす上部に本棚の収納部があり、
実質的には、反対側からの荷重増加はなく、
増加する荷重と補強は外壁側に集中するという状況でした。

こうしたやり取りは図面のみではなかなか伝えにくいので、
現況写真と補強案と図面を添えて、やり取りすることが、
現場の状況に合った補強方法を考える上で重要なことです。





築150年の古民家の構造補強と断熱改修・はじまり
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築150年古民家の住まい改修10床下の断熱改修
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築150年古民家の住まい改修11床下の断熱改修とJパネル
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